手取川七ヶ用水土地改良区は、手取川の水の恵みを人々の農業やくらしに役立てています。
HOME > 嘉南農田水利会との友好
手取川七ヶ用水土地改良区が台湾省嘉南農田水利会と姉妹の縁を結ぶに至った機縁については、台北大学が大きな懸橋になりました。それは、全国土地改良事業団体連合会(略称、全土連)専務理事の毛利基宏氏が、台北帝国大学農学部を卒業し、農林省に入られ昭和38年から41年に石川県農林部長、また昭和46年から47年8月まで北陸農政局長として、前後4年間にわたり手取川七ヶ用水土地改良区との交流がありました。
一方、嘉南農田水利会会長の李源泉氏は、戦後台北大学が台湾大学として存続された大学を卒業した農学博士の学位をもち、台湾省の水利会17団体の連合会会長を務める方であり、毛利専務と李会長とは、同じ大学で農学を修めた同窓の好みがあり、かつ先輩、後輩の間柄でたえず交流がありました。李会長から毛利専務に「日本の土地改良区と姉妹提携をしたいからしかるべき団体を推薦してほしい」との依頼があり、毛利氏が石川県土地改良事業団体連合会に「七ヶ用水を紹介したらどうだろうか」との話があり、手取川七ヶ用水土地改良区に「嘉南農田水利会と姉妹提携をしてはどうか」との要望が伝えられ、平成2年6月の理事会で姉妹会提携の承認を得て、同年10月の総代会に提案し、賛同をいただきました。
もう一つは、河北郡花園村今町(現金沢市今町)出身の八田與一氏が嘉南農田水利会の水源ダム「烏山頭水庫」及び用水路の設計施工に10年の歳月を尽くされたことであります。この事業により乾燥不毛という嘉南平原が蓬来米の産地になりました。
八田さんは農林省の土木技師でありながら、10年1日のごとく毎日々々作業服を着て、地元の人々と交わり、嘉南農民の身になって事業の遂行に精魂を込められ素晴しい業績を残されました。嘉南の農民の皆さんが、昭和5年3月烏山頭ダムが完成するに際し、八田さんの銅像を建てたいとの話を申出て、翌6年7月8日に贈呈除幕式が執り行われました。
昭和21年に嘉南農田水利会の方々が、日本から御影石を買入れて、八田さん夫妻を弔う日本式の墓を建てられました。いまは共に烏山頭ダムを展望する丘に安置されております。
─── 嘉南の人々は「父親」のように八田さんを慕っているという。
─── 嘉南の人々はまるで偉大な父親を自慢するように、八田技師について語りはじめる。「八田さんがこの工事をしなかったら、今でもこの辺りは米は獲れなかっただろうな、八田さんは、私等にとってみたら大恩人ですよ」と、続いてほかのひとが、「大恩人というより神様だな、神様みたいに思っているひとが嘉南に多いな」と
─── 嘉南農田水利会では、昭和17年5月8日、八田さんを乗せた大洋丸が五島列島沖で米軍潜水艦の魚雷に撃沈された。以来、この日を八田さんの命日として1度も欠かさず、毎年お墓に参り法要を営み、八田さんの偉業に感謝している。
(古川勝三著「台湾を愛した日本人・八田與一の生涯」)
このような経緯から七ヶ用水と嘉南農田水利会との友好親善と土地改良の研究のため相互訪問を重ね交流を深めております。
台湾の農田水利会は、17団体あるが嘉南農田水利会は最大の水利会で、潅漑地域は台湾の西南部の嘉南平原で、東は台湾山脈の手前、西に台湾海峡に臨み、北は北港渓畔まで、南は二仁渓に至る嘉義・嘉南の4県市にまたがり、その潅漑面積は約8万ha、会員は約18万人です。
会員代表45人が選出され、会長を選挙し、会長の下には総幹事・主任技師・秘書を置き、同時に4組・5室と7つの潅漑管理所、水源管理所2ケ所、珊瑚潭観光事業管理所、73管理センター、会員で組織される682の潅漑実行組合と2,000余の服務農民によって組織されている。
日程 | 内容 | |
---|---|---|
H03(1991).05.08 | 姉妹会締結調印式 | 訪問 |
H04(1992).01 | 姉妹会締結記念 | 表敬訪問 |
H04(1992).05.14 | 嘉南農田水利会 | 来訪 |
H05(1993).08.02 | 嘉南農田水利会 | 来訪 |
H09(1997).12.04 | 吉田理事長役員分区長 | 訪問 |
H11(1999).06.21 | 嘉南農田水利会 | 来訪 |
H12(2000).05.08 | 10周年記念 | 表敬訪問(吉田理事長役員分区長) |
H13(2001).12.22 | 吉田職員研修 | 訪問 |
H14(2002).05.24 | 百周年記念式典 | 来訪 |
H16(2004).05.28 | 七ヶ用水発電所竣工式 | 来訪 |
H19(2007).11.24 | 杉本理事長就任 | 訪問(3分区) |
H20(2008).09.22 | 会務委員会 | 来訪 |
H21(2009).07.31 | 農田水利会聯合会 | 訪日調査 |
H22(2010).06.10 | 楊会長就任記念 | 訪問(5分区) |
H23(2011).11.14 | 20周年記念 | 表敬訪問(杉本理事長他役員、2分区) |